専門スタッフが解説|セル画を買取に出す前にやっておくべき「高額査定」の準備

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はじめに

かつてのアニメ制作現場で実際に使われていた、世界に一枚だけの「セル画」。

もしご自宅に眠っているセル画を手放そうと考えているなら、少しだけ待ってください。

そのまま箱に詰めて送るのと、ちょっとした準備をしてから査定に出すのとでは、結果が大きく変わることがあります。

長年多くのアート作品を見てきた経験から、プロがどこを見ているのか、こっそりお教えしますね。

絶対に「掃除」をしてはいけません

まず最初にお伝えしたい最も重要なことは、汚れを見つけても「拭かない」ということです。

セル画は非常にデリケートな画材で描かれています。

きれいにしてから査定に出したいというお気持ちは痛いほどわかります。

古いセル画のインクは、少しの刺激で剥がれ落ちてしまうことがあります。

素人が汚れを落とそうとして、逆に作品としての価値をゼロにしてしまうケースが後を絶ちません。

ホコリがついている程度なら、柔らかい筆で優しく払うくらいに留めておいてください。

「汚れているから減額」よりも「線が消えているから買取不可」のほうが、何倍も悲しい結果になりますからね。

酢の匂いがしたらSOSのサイン

保管していた箱を開けたとき、ツンとするお酢のような匂いはしませんか?

これは「ビネガーシンドローム」と呼ばれる、セル画特有の劣化現象です。

もし匂いがしたり、波打ちが始まっていたりする場合は、一刻も早く専門家の元へ届けてください。

劣化を止めることは難しいですが、現状を維持するためのプロの保管環境が必要です。

無理に自分で直そうとせず、「劣化があります」と正直に伝えて査定に出すのがベストな選択です。

背景画と動画の有無が運命を分ける

セル画単体でも価値はありますが、付属品が揃っていると評価は跳ね上がります。

特に重要なのが「背景画」と「動画(原画)」です。

そのセル画とセットになっていた背景画が張り付いている場合、無理に剥がそうとしてはいけません。

背景とセル画が一致しているものは、美術品として極めて高い評価を受けます。

また、セル画の下に敷かれている鉛筆書きの「動画」や、制作指示が書かれた「タイムシート」も捨ててはいけません。

これらは制作の息吹を感じさせる、ファン垂涎のアイテムなのです。

紙類はただの緩衝材ではありません。すべてセットにして査定に出しましょう。

どんなシーンが描かれているかチェック

お持ちのセル画は、どんなキャラクターが、どんな表情をしていますか?

一般的に、キャラクターの顔が大きく写っているアップの構図は人気が高い傾向にあります。

逆に、後ろ姿や遠くの風景の一部として小さく描かれているものは、少し評価が落ち着くことがあります。

もちろん、名シーンやオープニングに使われたカットであれば、構図に関わらず驚くような評価がつくことも。

もし何の作品か分からなくても、「誰かが一生懸命描いた絵」であることに変わりはありません。

輸送時の「湿気」と「癒着」対策

最後に、査定に出すための梱包についてお話しします。

セル画にとって湿気は大敵です。

配送中に湿気を吸ってしまわないよう、ビニール袋に入れた上で、硬い段ボールで挟んでください。

また、セル画を複数枚重ねるときは、間に紙を一枚挟むのを忘れないようにしましょう。

アニメという文化遺産を次の世代へバトンタッチするためにも、最後の旅立ちの準備は丁寧に行いたいですね。

皆様の大切なコレクションが、その価値を正しく理解してくれる人の元へ届くことを願っています。

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